逢坂壮五が「MEZZO”である」ことに何を期待するかという話

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引き続きというか唐突に、なぜここまで逢坂壮五という人間を推したくなったのかについて考えをまとめたい。例によって超個人的見解によります。

ゲーム1部までと1周年記念スト、流星コミカライズ全2巻のみ履修。

 

■公式設定プロフと1部までのストーリーから思うこと

彼の公式プロフィールを確認したのが2部に向けていったん自分の見解をまとめておこうと思い立ってからなので、割と最近。ゲームプレイ中はこれを念頭に置かないで純粋にストーリー内の彼の発言や行動をベースに見ていたのだけれど、それにしたって改めて読むと「ア~・・こういう性格だしこういう好みだからああいうこと言うだろうね…」ってリアル。納得の設定である。

 

彼を解釈するうえで現状大きなポイントだと感じるのは、アイドルを目指したきっかけ、その出自、あとはやっぱり、他のメンバーに先行して選抜されある種不本意ながらデビューしたMEZZO”としての活動をしているという点かなと思う。そのあたりいったん今感じていることをまとめておく。

 

 

■逢坂壮五のMESSO”への関わり方

ストーリー上で当初マネージャーから二人組での売り出しを打診された彼は、迷うことなく断るという場面がある。理由は他のメンバーの事を考えると乗り気ではない、というかそもそも7人でデビューするということで始めた仕事だからと。

ここは単純に環くんとの相性どうこうが明確になる以前の問題だったろうし、残りの周囲との調和を重視する彼だしそういう返答したんだろうなと思っている。でも、環くんは彼の目的のために一日でもはやく大々的にメディアに顔出ししたい、残りのメンバーは関係ない。どんな形であれ、はやいとこデビューしたいという。ここでまず今後の2人の間で仕事に対するスタンスの違いが表に出てくる。

結局、その後のステージでの結果もあって2人はMEZZO“としてほかのメンバーに先行してデビューすることになる。

 

MEZZO”をしている彼を見ていて苦しいなと思うのは、たとえ不本意にはじまったデュオ活動だとしてもそれは仕事だからと逃げずに受け止めていて、しかも将来的にIDOLiSH7が7人でデビューするための道を自分たちはMEZZO”によって切り開く役目があるんだという使命を実質一人で背負っているところ。

 

四葉環の存在

 環くんのほうは先行デビューの件、当時そこまで重くは受け止めてないと思う。先にチャンスをつかめたやったぜくらいじゃないかなあ。

でもこれ別に彼を貶めてるわけじゃなくて、あの年齢と性格なら当然の考え方ですよきっとね。彼はまだ、他の人とどう折り合い付けるかという次元に意識は向いてなくて、あくまで「自分がどうありたいか」で物事を決めている。よく言えば、自分の志向性を自分でちゃんと認識している。

環くんのこういう生き方を目の当たりにすることで、壮五くんの物事の捉え方とか、仕事の仕方、周りとの関係の築き方はみるみる変わっていくんじゃなかろうか。20年間で築き上げられて凝り固まった価値観や人生観の変革を起こしてくれるんじゃなかろうか…その様子をこれから2部なのか3部なのか知らないけど、どうか見せてほしい。

 

流星も、1巻に同時収録されていた紫青も、読んだけどまだこの二人の関係性や距離感にいまいち納得がいかないのは私が本編を進めたらストンと肚落ちするものがあるのか、いつのまにか詰まったこの距離感が今後デフォになるのかは今のところ分からないけれど。

紫青後編で環くんが「俺がいい子だとそーちゃんも優しいんだ」っていうのが正直引っかかっていて、環くんがそういう結論というか納得をして壮五くんに向き合うにはたぶん紫青の前後編のはざまにもう1~2イベントあったと感じざるを得ません。たぶんあるんでしょうね、ストーリー上なのか他のノベライズ分なのか…

アイナナそこまで必修媒体ないはずなのに時系列が謎過ぎてそれだけつらいんですけど

 

 

■現状の壮五くんはといえば

このシーンとてもびっくりしたんだけど、心配して現場に来たマネージャーに対して「こっちは二人で大丈夫だからIDOLiSH7の営業活動に注力してほしい」って言って帰しちゃう場面。余談ですがわたし、MEZZO”の現場に来て「帰っていいよ」と言われたのに対して一切渋らなかった紡ちゃんのドライさ、正直とても好きです。ちゃんと仕事してるよね。

アイナナのマネージャーのこういう男らしい、アイドルに翻弄されないところが好感持てる。安易に乙女ゲーム的にストーリーやキャラクターの考え方や成長へ必要以上に絡んでこないので、安心してキャラだけによって進むシナリオを追えるのはアイナナの魅力として重要だと個人的には思っている。

 

とはいってもどんだけストイックなんだろうと…これを彼の場合、紡ちゃんや環くんへの当てつけでもなく、アピールでもなく純粋に「僕の仕事だから」でやってるのがいい子過ぎて頑張り屋さんでしんどい めちゃくちゃ仕事抱え込んでるのに手の空いてる人にも業務振れないで納期前に連日限界まで残業繰り返すタイプだよ

でも自分が年上だししっかりしなきゃとか、環くんはまああんな感じだし自分がリードしてコントロールしなきゃとか、あの性格だしそりゃ思うでしょうね

現実にオフィスにいたら目に余るタイプだけど自分の推しがそれだと思うといよいよ愛しさとしんどさしかないわけで

  

その後も彼は相変わらずMEZZO“側のタレント業務と兼任して、自分たちのマネジメント業務や渉外業務もこなしながら、その負担を心配されようとも「僕は全然大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」と弱音を一切吐かない。寝不足だろうが体調悪かろうが、これは自分のやるべきことなんだしと全うしようとして、結果的にちゃんとこなしていく。 

たぶん社会人経験者は余計に分かると思うんだけど、仕事でマルチタスクを抱えてるときのストレスって少なからずあると思うんですよ。いろんな業務を振られた後、じゃあその中で優先順位を判断して段取りして、新しい情報インプットしたりアウトプットしたり周囲と共有したり、自分では気づかないほどたくさんのことをこなしてるはず…まあ社会人何年かやってればそれすらルーティンとしてこなせるようにはなるんですけど、でもそれをこの間まで大学生で、おそらく仕事の現場とか出たことない子がやるんだとおもうとエクストラハードモードすぎませんか?いくら器用な子でもしんどいし、失敗はできないししたくないだろうし。彼はどれだけ気を張ってこなしてるんだろうと…

 もちろんマルチタスク回すのなんて何も苦痛じゃないでしょむしろこの負担こそ生きてるバリバリ働く私サイコーPDCA!(?)っていうタフメンタルな方は「へ~生きづら」と思ってていただければいい。たぶんそもそもここを読んでない

 

■「抱えごみグセ」のある一織くんと壮五くんの相違点

とりあえず今のところ、壮五くんはそういう負担を外部に共有できたり、なにかで発散昇華できたり、自分の燃料に変換できるタイプではない。彼は「大変だ」とか「つかれる」とか「しんどい」とか、マイナスな弱音を吐くことを無意識に悪としていて、そういうことをする姿を見せるのはみっともなくて恥ずかしいことだ、弱みは、他人見せるものではないしその必要もない。と考えている人だと思う。正直、アニメ1話の件の床に寝る姿を見て「あ~~~~なんてかわいいんだ」と思うのと同時に「なんて生きづらそうな子なんだ…」と胸を痛めずにはいられなかった。

 

この点、一織くんも優秀だし言葉にしないで抱え込んでしまうタイプなのは似ているけれど、まだ子供で社会経験も浅いからか、いい意味でその我慢が続かない。

結局彼は外に対して何らかの形で気持ちを吐き出して、それをちゃんと自分のエンジン燃料に変えられるタイプ。ステージでの一件もそう。その後も自分で「これはあの日失敗した自分からの花だと思う」とか言っちゃうとこも、なんやかんや自分のダメだったところを周囲の人と共有できて、自分でも昇華(消化)できる。まあ彼もアイドルをする理由が「兄さんや七瀬さんをスターにするため」とか言ってる点ほんとマジで闇が深すぎるんですがそれは今回割愛で いや一織くん、君の闇も相当やで

 

■壮五くん生き方練習中なんだね

壮五くんが自分の弱い部分、苦しいなと思っていることを隠して抱え込む不器用さ、でもそれを見せることなく器用にこなしてしまうせいで、これまでどれだけ自分を抑圧して生きてきたのかなあと思いを馳せずにいられない。※深読みしすぎなのは分かってます。でもきっと彼は手を緩めるタイミングとか、自分の気持ちの落としどころを見つける方法とか、たぶん知らない。

 とにかくそんな生きづらい生き方してるのによりにもよって環くんみたいな、自分の中に何かため込むみたいな思考とは生まれてこの方無縁ですみたいな性格の子と2人仕事とかして果たして大丈夫なんだろうかと、いまは心配なのと、でも上述のとおりそんな環くんだからこそ壮五くんにいい影響を与えてくれることも期待している。

1部時点では結果的に大丈夫じゃなかったし(倒れたときほんと普通にびっくりした)、でもそれによって実家の事とか自分の思ってることすこし周囲に共有できたから結果オーライだったんだとは思うけど、今後2人が本当の意味で仕事におけるパートナーになって、壮五くんの生きづらさがいい方向に変わりますように…たのむ…

 

 

 

まだストーリーの感想にすらたどり着いてないけど、いったんこの辺で

逢坂くんに関してはまだアイドルになった動機もその出自によるであろう根本的な性格についてもいろいろ考えをまとめたいことがある